JBCS 2001
乳腺疾患診療における看護の現状と課題
-アンケート調査結果より-
Breast Care Nursing 勉強会
○武石優子*1.阿部恭子*2.作田朋加*3.阿部正代*1.
神里みどり*4.桐生恵美子*5.小島真奈美*6.高草木洋子*6.
中島恵美子*4.堀野いずみ*6.吉田美幸*7.渋谷優子*4
*1 乳腺クリニック長瀬外科
*2 川上診療所乳腺・甲状腺クリニック
*3 千葉大学医学部附属病院5階西病棟
*4 東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科
*5 東京医科歯科大学医学部附属病院A12病棟
*6 埼玉医科大学附属病院第1外科病棟
*7 旭川医科大学附属病院 |
調査方法
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期間:2001年1月22日〜同年2月28日 |
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対象:日本乳癌学会・研修認定施設356施設 |
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の乳腺疾患診療に携わる外来・病棟 |
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看護婦712名 |
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方法:BCN勉強会で作成した乳腺疾患看護に |
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ついてのアンケートを各施設に郵送 |
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回答方法は、選択(一部複数選択) |
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および一部記述とした |
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外来
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<外来> <病棟> |
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1~10年 16% 23% |
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11~20年 46% 34% |
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21~30年 36% 37% |
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外来
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<外来> <病棟> |
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0〜5年 64%
62% |
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6〜10年 24% 26% |
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11年以上 10% 10% |
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外来
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<外来> <病棟> |
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スタッフ 49% 33% |
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主任・副婦長 38% 17% |
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婦 長 12% 46% |
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アンケート結果
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-外来で中心に行われている看護- |
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・医師からの患者・家族への病状説明時の同席 |
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・説明後の患者に対する内容確認と質問への対応 |
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・化学療法の副作用への対応と精神的ケア |
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-外来であまり行われていない看護- |
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・リハビリテーション、内分泌療法、放射線療法、 性生活に関する看護援助 |
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アンケート結果
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-病棟で中心に行われている看護- |
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・リハビリテーション指導 |
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・リンパ浮腫に関する看護援助 |
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・術後の下着・人工乳房の紹介 |
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-病棟であまり行われていない看護- |
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・医師からの患者・家族に対する病状説明時の同席 |
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・内分泌療法、放射線療法に関する看護援助 |
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アンケート結果
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-看護全体の傾向- |
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・化学療法、放射線療法、内分泌療法の内容説明、 |
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リンパ浮腫の成り立ちの説明は医師に任せている |
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・各治療法の看護援助は、副作用への対応と精神的 |
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ケアが中心であった |
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・乳房再建について患者に助言する必要性を感じて |
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いるが、情報・知識不足、医師に任せていること |
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を理由にあまり行われていない |
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・病棟-外来の連携不足 |
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外来における乳がん患者への
看護援助の課題
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1.インフォームド・コンセントに関する |
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患者の意思決定への援助 |
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2.各治療法に関する治療内容の説明の充実 |
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3.リハビリテーション指導の継続 |
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4.リンパ浮腫の説明・セルフケア指導 |
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5.術後の下着・人工乳房の適切な使用への指導 |
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6.再発・転移時の患者を支える家族への支援 |
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7.乳房再建に関する情報提供・相談 |
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病棟における乳がん患者への
看護援助の課題
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1.インフォームド・コンセントに関する家族 |
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への積極的な介入と支援 |
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2.退院時の内分泌療法・放射線療法に関する |
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情報提供・治療内容説明の充実 |
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3.再発・転移時の患者を支える家族への支援 |
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4.乳房再建に関する情報提供・相談 |
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乳腺疾患看護を行うにあたり
困難に感じていること
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<病棟> |
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1.NSの情報,知識不足 (122) |
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2.時間の確保 (107) |
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3.病棟-外来の連携 (75) |
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4.場所の確保 (62) |
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乳がん看護の現状と課題
に対する解決策
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・全国レベルの看護セミナーの継続 |
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・乳がん看護基準の確立 |
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・乳がんを専門とする看護婦育成の |
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システム創り |
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本アンケート調査により、看護婦の乳がん看護に対する関心の高さと、専門性の求められる分野であると認識してることを確認できた。 |
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今後は、乳がん看護の勉強会やセミナー等により、看護実践の普及や情報交換が全国レベルで活発に行われることが必要であると思われる。 |
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