おっぱいってどんなもの?
1.乳房の解剖

乳腺は、乳汁を作る小葉と、乳汁を運ぶ乳管からできています。 イメージとしては、乳首を中心に葡萄の房状のものが約20房ほど(片側)ついている状態で、葡萄の枝にあたる部分が乳管で、実にあたる部分は小葉になります。
小葉でつくられた乳汁は、乳管・乳管洞を通って乳頭から分泌されます。



2.解剖学的マッサージ法

乳房の解剖学に沿ったマッサージ方法で、ご自身でもできるマッサージ法です。


2-1.小葉から乳管へのマッサージ

乳房のすそのから乳頭方向へ「の」の字を描くように、全体をマッサージします。
《右の乳房の場合》
●左手の人差し指から小指までの4本指の腹側全体を乳房に密着させ、マッサージしていきます。
●左の乳房を行う場合は右手を用います。脇の下に近い乳腺も、念入りにマッサージをしてください。


2-2.乳管洞マッサージ

前記2-1のマッサージによって、乳管洞にたまった乳汁を絞り出します。
《右の乳房の場合》
●左手の親指と薬指・小指の間で乳房のすそのを固定します。
●乳房を固定したまま、右の親指と人差し指・中指で乳管洞のマッサージをして
 いきます。

2-1、2-2 のマッサージを、授乳直後、入浴時に行います。

3.授乳期の食事について

基本 : バランスのとれた食事をとりましょう。

●ポイント1:鉄分を多く含む食品をとるようにしましょう。
母乳に含まれ分泌される鉄量は、1日0.25〜0.34mgと言われています。
お母さんに必要な鉄量は1日20mgなので、母乳に含まれる鉄量はわずかですが、
出産によって体内の鉄量が減っていますので、これを補う意味でも必要になります。
《鉄分を多く含む食品》
乾燥ひじき、レバー、うなぎ、しじみ、豆腐、かつお、ごま、ほうれんそう、
ブロッコリー、小松菜、プルーン、など

●ポイント2:カルシウムを多く含む食品をとるようにしましょう。
お母さんの骨粗鬆症の予防、赤ちゃんの骨形成のために必要となります。
《カルシウムを多く含む食品》
干しエビ、煮干し、ごま、ワカサギ、しらす干し、豆腐、油揚げ、ひじき、チーズ、牛乳、わかめ、こんぶ、など

●ポイント3:適度に水分を補給しましょう。
 赤ちゃんの哺乳量は、1日約850mlと言われています。母乳には水分が含まれていますので、
 適度に水分を補給しましょう。
 ジュース、清涼飲料水は、糖分を多く含んでいますので、とり過ぎには注意してください。

●ポイント4:乳脂肪分、糖分のとり過ぎに注意してください。
 肥満の原因にもなりますが、乳汁をつまりやすくする原因にもなります。
 母乳は、赤ちゃんに必要な栄養をたくさん含んでいます。
 特に、初乳(出産1〜5日)には、感染を防ぐ物質が含まれていて、赤ちゃんを感染症から守っています。
 また、母乳は赤ちゃんに栄養を与えると同時に、お母さんと赤ちゃんのコミュニケーションを図り、
 愛情をたっぷり与えています。

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