ごあいさつ
開院10年を経て

 月日は百代の過客にして・・・、お陰様で乳腺クリニック長瀬外科も、昨年7月に10周年を迎え、8月よりはクリニックを私の庵1階へ移設し、よりアットホームに新規開院致しました。皆様のご支持に、心より感謝です。
 クリニック10年の実績として、患者さんの総数は12000名余り、原発性乳がん患者さんを650名診断し、そのうちの半数を専門病院へ紹介、半数を当院で治療(乳房温存率は2/3強)致しました。授乳期の方を含む良性乳腺疾患は枚挙不能です。その他、臨床研究発表や、医師・看護師・診断技師・助産師・保健師・一般市民への教育啓発・講演も数多く行うことができました。
 思い返しますと開院当初は、どこよりも質の高い診断と治療・ケアを提供しようと気合いが入り過ぎていたような気もしますが、現在は、無駄な気負いはなくなり、一乳腺医、一僧侶、一人間として、今の自分にできること、なすべきことを行い、ひとりでも多くの人を幸せに導くことができるよう、スタッフとともに心のこもった温かい診療をめざしています。
 2000年からは柏市医師会理事として柏市乳がん検診の改善と市民への健康教育の仕事をしてきましたが、さらに現在は総務担当となり医師会事業全般に関わり、行政との共同事業に力を入れております。特に本年度は、柏市保健衛生審議会がん対策専門分科会というものが設けられ、私がまとめることになりました。具体的な仕事としては、すべてのがんの予防と早期発見を目的とした啓発・検診事業の充実を図り、患者・家族が適切な情報や相談を受けられる資料・施設を整備し、質の高い診断・治療のみならず緩和ケアや在宅ケアも受けられる関係医療施設間のネットワークをつくり、患者同士の自助グループを支援しボランティアを育成することなど、幅広いものが要求されております。気の遠くなるような壮大なテーマではありますが、何とか2年間で形を創りあげようと奮闘中です。
 個人的には、クリニックが自宅になったことで時間的余裕が生まれ、以前より居合道に励むことができ、芸術に接する機会も増え、心身ともに健全な状態にあるようです。

2009年2月
         乳腺クリニック長瀬外科院長 長瀬慈村

 

長瀬 慈村 (Jison Nagase

1960年 新宿区に生まれる
1986年 群馬大学医学部卒業
      東京医科歯科大学第1外科学教室入局
1993年 東京医科歯科大学第1外科乳腺班班長
1998年 乳腺クリニック長瀬外科開設

資 格

日本外科学会認定医
日本臨床細胞学会細胞診指導医
日本乳癌学会専門医
真言宗豊山派権少僧都

役 職

日本乳癌学会評議員
日本乳管内視鏡研究会世話人
柏市医師会理事・乳がん検診委員会委員長
千葉県医師会健康教育委員会委員
With You~あなたとブレストケアを考える会~世話人
北総ブレストケアセミナー代表世話人
柏市保健衛生審議会がん対策専門分科会会長

研究テーマ

乳腺疾患の臨床病理学
早期乳癌の診断
乳房温存術式の工夫
乳癌の集学的治療
乳癌患者と家族に対する心と体のケア

原発性乳がん症例数

クリニック開設より10年間に、原発性乳がんと診断した642例のうち、321例を治療
(乳房温存治療率:70%)








   
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